社会人の独学

概要と背景

 この記事はあくまでも私の個人的な体験と学びを基にしており、私が信じていることを記したものです。社会人として働きながら独学を継続し、それによって得たノウハウを可能な限り文字に起こします。独学に励む読者の皆様に、ほんの少しでもやる気と勇気を引き出せればという思いで記していきます。

私について

読んでくださっている方とシチュエーションを共有するために、私について少し記していきます。

生年

1997年生まれ。

学歴

工業高校電子機械化卒(偏差値47)。

所持資格

  • 第一種電気主任技術者
  • 第三種電気主任技術者
  • エネルギー管理士電気分野(試験合格)
  • 第一種電気工事士(試験合格)
  • 第二種電気工事士
  • 簿記三級
  • 基本情報技術者

(細かな資格は省略)

学習の背景・きっかけ

 私は勉強が大の苦手でも、大の得意でもない、いわゆる普通の人間です。それは今でも変わっていないと思います。工業高校では高校2,3年に差し掛かってくると、「進学」か「就職」かの選択に迫られます。私の家庭は「大学に行くなら全部自腹で」という方針でした。一時は大学に進学するか迷ったのですが、運良く魅力的な就職先に出会えたので就職を選択します。この時からぼんやりと「働きながら勉強してスキルを磨いていこう」という思いは持っていました。実際に仕事に慣れ精神的に余裕の出てきた20歳から、学習を始める事になります。そこから現在(26歳)に至るまでに、

  1. 第二種電気工事士
  2. 第一種電気工事士(試験合格)
  3. 第三種電気主任技術者
  4. 第一種電気主任技術者
  5. 簿記三級
  6. エネルギー管理士電気分野(試験合格)
  7. 基本情報技術者

の順番に取得する事になります。これに加えて、ビジネス書や新聞・雑誌などを通じて、幅広い知識の獲得を心掛けてきました。

日本人の「学習」に対する現状とリスク

 会社にもよるかと思いますが、社会人になって勉強を継続している人は少ないものです。私自身1社のみの経験となりますが、勉強している人と出会うと「レア」な感じがします。「帰ってから何するの?」と聞かれて「勉強したり、本を読んだり…」というと驚かれる反応が殆どなのは、そういう事でしょう。

そこで、日本人の「学習」の現状について、資料を少し参考にしてみます。

総務省による学習に関するデータ

 以下のデータを基に見てみます。

『令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果 結果の要約』より

  • 2021年の1日あたりの学習・自己啓発・訓練時間は約13分。
  • 上記の活動を行なっている人は約39.6% ⇨ 60.4%がこれを実践していない。

皆さんはどう思われるでしょうか。

学習しないリスク

 多くの人は「何もしない=現状維持である」という認識を持っているように思います。一例として、例えば、機械のメンテナンスをせずに放っておいたり、家の掃除をせずに放っておくとどうなるでしょうか。汚れや錆がひどくなり、本来持つ機能を十分に発揮できなくなります。人間は機械でもモノではありませんが、私は同じことが言えると考えています。何もしなければ物事を忘れ、思考力も体力も衰えていきます。つまり実質的には「何もしない=退化である」と思うのです。

 昨今の社会情勢は、日に日に活発度合いが増しています。直近で言えば、原材料価格やエネルギー価格の高騰による経営圧迫。いつまで所属組織が存続するかは誰にも分かりません。少し未来を見れば、人工知能が人類の仕事を代替する可能性も増えてきます。クリエイティブや知能労働といった、人類の得意分野とされていた領域も人工知能の影響を大いに受けるかもしれません。何もしないで時の流れに身を任せることは、大きなリスクをはらんでいるように思えてならないのです。

危機感の力

 「自分の身が危ない」「このままでは生きていけないかもしれない」と感じたとき、人は行動を取り始めます。私自身高卒であり、特別な学歴はない上、特に頭が良いわけではありません。「頭が良いから勉強できる」と言われることがありますが、私は逆に「頭が悪いからこそ、頭を良くしておかないと大変だ」と感じているのです。危機感を持つことは素晴らしいことだと思います。それを行動へのエネルギーに如何にして変換できるかだと考えています。

学習の進め方についての私の考え

敵を知り、味方を知る

 目的を達成するということは”勝つ”ことです。敵=資格試験とすると分かりやすいので、これを例にとります。資格試験に勝つためには、まず資格試験そのものについて下調べをするところから始めます。

  • どんな分野が出題されるのか。
  • 合格率と受験者層から、難易度感はどれくらいか。
  • 合格点はどれくらいか、科目合格制度はないか。
  • 選択問題はあるのか。

などです。何も調査せず過去問に取り掛かることは、敵の陣営を把握せずに突撃しているのと同じです。敵の正体を知るところから始まります。

 次は「味方を知る」ですが、これは「活用できる資源を把握すること」です。経営資源といえば「人・モノ・金・情報」となりますが、この場合の資源とは「金・前提知識・時間」などが挙げられます。目的を達成するための手助けとなるものです。金がたくさんあれば、オンライン講座や学校に通うことも視野に入るでしょう。家庭の事情もあり自由に使える金が少ないのであれば、別の方法を考えなければいけません。時間がたくさんあれば、広く深く学習できますが、時間が少なければ、範囲を絞って学習する必要があります。戦略を立てるために、自分の使える武器を把握します。

目的・戦略・戦術の階層構造

 目的・戦略・戦術・階層構造を持っています。

 目的・戦略・戦術の階層構造

 目的を達成するための戦略(シナリオ)があって、具体的な行動である戦術があります。例えば「資格試験に合格する」ということを目的に置いたとします。この場合の戦略は、自分の持っている資源(金・前提知識・時間など)を勘案し、どこにどう配分すると目的を効率良く達成できるのかを考えることになります。資格試験は基本的に合格のボーダーラインが決まっていますから、「試験に合格すること」が目的であれば100点満点を取る必要はありません。全ての範囲を深く勉強するのもありですが、その分時間が取られます。家庭もあれば仕事もあります。人付き合いもあるかもしれません。自分の環境下において、得意を生かしながら時間をどう配分するかを考えます。

 逆に考えてみると、資源が無限にあるのであれば戦略など考える必要はありません。思いつく限りのことを全て実行し、バンバン教材にお金を注ぎ込み、全範囲を深く学べば良いのです。しかし実際は、金も時間も有限であり、なんなら足りません。足りない中でどうするか。やらないことを明確に決める「選択と集中」こそが戦略の肝であると思います。

戦術は「最も具体的な行動」です。どこにどれだけの時間を割くのか大まかに決まったのであれば、何月(週or日)から何月(週or日)まで何をするのかを決める。といった具合です。もっと具体的に「この日はこのページを取り組む」と決めてしまっても良いかもしれません。私はそこまでやりませんが(笑)!

 目的・戦略・戦術に関して書きましたが、ここに書かれていることが完璧にできなくても問題はないと思います。全く無計画で無鉄砲に挑戦するよりも、大まかなシナリオだけでも決めておいた方が、自分の人生の時間を有効活用できるのではないかという考えです。決めた戦略・戦術も、ダメだなと思ったら変えて良いのです。計画通りに行かなくても反省だけして忘れましょう。人生長いですからね。

前進するための後退

 学習を続けていると「分からないこと」は必ず出てきます。何にも躓かずに全て順調に理解できるのは、本当の本当の天才だけでしょう(それでも居ないとは思いますが)。大切なのは「分からない」を受け入れた上でどうするのか。このアプローチの仕方で継続できるか否かも決まってくるように思います。

 結論として、私が大切にしていることは「基礎の基礎まで戻ること」です。中学校で習う内容であろうが、小学校で習う内容であろうが遠慮なく戻ります。なぜなら「基礎」の上に全ての応用が築かれると考えているからです。私の経験、そしてSNSで他の学習者を見ていて「基礎が抜けている」と思うことが本当に多いです。数学が分からなければ中学校の内容まで戻ります。それがたとえ四則演算だったとしてもです。知らないこと、忘れることは全く恥ではありません。人間であれば当たり前のこと。知らないことを認めず、学ばないことが恥なのです。

 これから沢山前進するために、少しの間後退する事くらい、なんの問題もないと思います。

方向転換と継続

 この「方向転換」と言うのは学習方法の転換のことであり、「方向」は先に述べた戦略のことでもあります。要は、努力が実る方向を見つけると言うことです。極端な例を出してみます。

 例えば「スカイツリーを見に行きたい」と言う目的を持つAさんがいたとします。Aさんは頑張りました。名古屋から一生懸命歩きました。次第に何か大きなタワーが見えてきます。結果、到着したのは「通天閣」でした。

可哀想ですね。彼は一生懸命歩いたのに、努力をしたのに、報われませんでした。何故なのか。それは「西に向かって歩いたから」です。これは分かりやすい例なので「そんな訳あるかい」と思われるでしょうが、学習となると良くある出来事のように思うのです。特に「資格試験でスパイラルに陥っておられる方」にこの傾向があるように思います。結果が出ない学習方法は改善していく必要があると思います。時には、大まかな方向転換をすることも重要です。努力をしているのに結果が出ないのは、やり方を間違えている、やり方が自分に合っていない恐れがあります。必要に応じて方向転換を繰り返しながら、歩みを継続する。目的を達成するために重要な要素だと思います。

 私の経験より、具体例を見てみましょう。

電験一種受験を事例としてみる

 第一種電気主任技術者試験には一次試験と二次試験があります。一次試験は「理論・電力・機械・法規」の四科目で6割がボーダー。二次試験は「電力管理・機械制御」の二科目です。各科目の持つ特徴によって独自の学習法が求められてきます。

科目によって異なる勉強法

<理論>
理論科目は電気工学の基盤を問うもので、電気の基礎・電子理論・電気計測及び電子計測について問われます。この理論科目は他の科目の土台になると考えている科目です。したがって特に重点を置いて学習する事となります。電動機も変圧器も、それらから構成される電力系統も、電気理論の理解なしには理解できないと考えました。したがって理論に関しては、「100点満点を狙うつもりで取り組む」をおまかな戦略としていました。電磁気に関する専門書は複数購入して取り組みましたし、一種の内容を超える範囲まで取り組んでいました。後から振り返ってみても、この戦略は間違いではなかったと思います。

<電力・機械>
電力と機械科目に関しては、ボーダーラインを越えれば十分とする勉強法をとりました。とある領域に関しては専門書を購入し取り組んでいましたが、理論科目ほど深いレベルまで取り組んではいません。むしろ、二種一次・二次試験の内容が出題される可能性もあったので、深掘りはせず広く問題を解くことを意識しました。

<法規>
法規科目は他の三科目とは若干性格が異なり、条文の暗記が問われます。一部計算問題も出題されますが、過去問での対応で十分であると判断しました。暗記科目で意識していることは「隙間時間を活用してこまめに取り組む」ということです。人間の記憶は、何度も定期的に繰り返し同じ箇所を学ぶことで定着していきます。有名な「エビングハウスの忘却曲線」が参考になります。法規の参考書は持ち歩いたり、アプリをダウンロードして隙間時間で取り組んだり、こまめに取り組める環境を構築しました。

<二次試験(電力管理・機械制御)>
二次試験は記述式であり、一次試験のような「マークシート」ではありません。したがって一次試験以上に理解が問われます。

 ここで先に結論を言うと、一次試験の四科目は上記の方針で問題なく突破出来たのですが、二次試験は玉砕してしまいました。この鬼門である二次試験に「方向転換と継続」を適用します。

方向転換と継続の実践

 二次試験受験の一年目にどのような学習をしたのか。それは「ひたすら書き殴る」という勉強法です。二次試験は「計算問題」と文章で答える「論説問題」があるのですが、そのどちらともノートや紙に書き殴っていました。一年目は受験のスケジュール上、二次試験の学習に当てられる時間が少ないので、その焦りから「時間がないなら体で覚えるしかない」と当時の自分は考えたのでしょう。かなりの量の紙に論説の模範答案を書きましたが、結果は先に述べた通り不合格。ここで冷静に戦略を考え直します。二次試験はとにかく「理解」していなければ解けません。紙に書き殴っている時にも理解することを意識はしていましたが、おそらく書くことに気が取られすぎて理解が疎かになってしまっていたのです。そこで「理解」に全集中するために、論説問題は一歳書かずに、読んで理解に努める方針に変更しました。
又、比較的苦手な機械制御のパワーエレクトロニクスの問題も解くのをやめ、他の問題に集中することで得点を稼ぐようにしたのです。

 その結果二年目の二次試験受験で無事に合格を勝ち取ることができました。

学習法の提案:参考書、過去問、ノートの活用術

参考書に情報を集約する

 私は「参考書に書いてあることをノートにまとめる」という事をしなくなりました。参考書を読んで足りないと思った箇所を補足で足していきます。つまり、自分オリジナルの参考書を作るということになります。復習したいと思った時に「あれ、ノートに書いたっけ?参考書に書いたっけ?」と行き来する無駄をなくします。1箇所に全ての情報を集約する事で周回効率、復習効率向上を図ります。

 自分で補足情報を書き込む

過去問でも情報の集約は可能

 これは過去問であっても同じことが言えます。特に電験一種には、これといった参考書がありません。過去問はあるのですが、範囲が広すぎるあまり専用の参考書がないのです。このような時にもオリジナルページの作成は有効かと思います。

 電験一種の過去問に貼り付けたオリジナルページ

 解説に対する深掘りや不足している箇所を、自分で書籍やネットで得た知識を元に紙にまとめます。これを過去問に貼り付けることで、自分だけの解説を作っていくのです。過去問は基本的に何度も周回しますから、初めの一周目に作成しておくと、以降の周回で楽に復習できるでしょう。一周目は大変かもしれませんが、大変なのが勉強で仕方ないです。

ノートを取ることの意義

 では「ノートをとる」ことの意義について考えてみます。ノートをとるという行為は学生時代から誰しもが行っていたことでしょう。私が学生の時には授業終わりにノートが回収され、ノートが綺麗にとれているかどうかが成績にも反映されていました。この場合、ノートを綺麗にとらなければ良い成績が貰えないので、良い悪いは置いておいてノートを綺麗にとる必要があります。しかし、社会人になってから必要なことを学習する場合はどうでしょうか。誰かにノートを見られることはありませんし、回収されて人事考課に影響するなんてこともありません。あくまでも「知識・知見を手に入れる」ことを目的とし勉強すると思います。ノートを取るという行為は1手段でしかない訳です。私のように「書く」ことに意識が向きすぎる人は必ずしも書かなくても良いと思うのです。

 皆さんも今一度、ノートの活用法を考え直してみてはいかがでしょうか。

ノートの活用術:「超速アウトプット」

 ここで私のオススメのノートの活用術をお伝えします。それは「超速アウトプット」です。参考書で読んだところや学んだことを、すぐにノートにアウトプットしてみます。書けなければ「理解できていない」ということです。これを行ってみると、如何に自分が流し読みしているかが分かるようになり、参考書に対する意識も変化してくると思います。あくまでもアウトプットのために書くのであって、見返す用に書いているのではありません。

教材活用手順の大枠

 参考書、過去問の活用手順は、私の場合どのような資格試験でもほぼ変わりません。私が学習を進めるときの手順の大枠を書いてみますので参考にしてみてください。

  1. 参考書に書き込みながら一周してみる。
  2. 過去問一周目を取り組む。
    間違えた問題は参考書で復習し、解説は可能な限り読む。復習時や解説を読んでいる時にさらに書き加えていく。
  3. 過去問を二周目取り組む。
    間違えた問題は参考書で復習し、解説は可能な限り読む。復習時や解説を読んでいる時にさらに書き加えていく。
  4. 以後ループ

 大枠はこのような感じです。過去問は基本周回し、参考書は復習用に用います。あくまでも”大枠”であるのは、必要に応じて専門書に取り組むからです。途中で得意不得意を見極めて捨て問を決めたりもします。

自分に合った学習法を見つけよう

 以上の経験は、私自身が試行錯誤を行なってきた結果の一部でしかありません。したがって、これを見てくださっている方全員に当てはまるとも全く思っていません。あくまでも大切なのは「自分に合った学習法を見つけること」だと思います。知識の応用先は限られたとしても、学習法を確立しておくことは、どんなことにも応用できると思います。資格だけではなく、仕事のインプットにも役立つと思うのです。

補足的なアドバイス

可能な限り連続して資格試験を受ける

 これは「知識が残っているうちに取れるものを取ってしまう」という事です。私は、電験一種合格後にエネルギー管理士電気分野を受験しましたが「過去問一周+法規隙間時間読み」のみの学習で四科目一発合格できました。これは間違いなく「継続」による効果が大きいです。試験と試験の間を何年も空けてしまうと、次受験する時には「知識のリカバリー」からスタートします。毎日少しでも良いので知識を維持•アップデートしておくと、結果として楽になると思います。なので、可能な限り連続して資格試験を受けることをオススメする訳です。

 一見大変なように見えると思いますが、いずれどのみち受けるのであれば、思い出す期間を極力減らすことが最短ルートなように思います。

書籍の購入は投資

 専門分野であればあるほど書籍の価格は高くなる傾向にありますが、書籍に関してはあまり躊躇せず購入するように心がけています。なぜならば、投資的な側面が強いからです。数千円の支出で自分の人生をより良く出来る知識や考え方を手に入れられるのであれば、私はそれで構いません。投資には長期的な視点と志が必要です。支出分が返ってくるのかどうかも大切かと思いますが、如何に購入した書籍から学ぼうとし、目的に向かって活用しようとするかが大事だと思います。

 又、同じ分野の書籍を多く買ってみると、内容が重複する場合が出てきます。その場合であったとしても、表現の仕方は十人十色であり、一つとして全く同じ参考書はありません。むしろ多角的な表現方法に触れることで理解が深まることもあります。購入して後悔した書籍はありません。学ぼうと思えば、どんなものからでも学べると思います。

投資的な価値観は人によって違いますから、それぞれの価値観に沿って程度を決めていただければと思います。

アウトプットの重要性

アウトプットは最大のインプット

 攻撃は最大の防御なり、に近しい考え方だと思います。私は電験一種受験の際に自分のブログ(サイト)を立ち上げ電気に関することを発信していました。発信することそのものというよりも、発信するまでの過程が最大のインプットとなると実感することが出来ました。参考までに、記事が出来上がるまでの過程を記してみます。

  1. 本やネットで学習する
  2. 自分なりにまとめてみる
  3. イラストを用意してみる
  4. 誰でも見やすいように記事の構成を考え作成する
  5. 発信する

 大まかに以上のようなプロセスになります。本の内容やネット上の内容をそのまま転用すると著作権侵害の恐れもあるので、あくまでも「自分の言葉でまとめる」ということが大切です。通常の勉強では①と②までは行うかもしれませんが、③と④までは行わないと思います。この過程が非常に役に立ちました。誰かに説明しようと思えば、誰よりもその内容の理解が必要になるからです。

 サイトやブログ作成にまで至らなくても、SNSでまとめノートを発信してみたりするだけでも効果はあると思います。「誰かに見られている」という状態を意図的に作り出し、学習をより良いものにする狙いです。

 実際に作成した記事の一部

各項目を簡潔に纏めているスライドを作成して公式「X」にて公開しています。

継続のノウハウ

 では、学習を継続するために何が必要なのか。可能な限り、言葉にしてみます。

根底にある「得意」と「好き」

 学生時代、人と比べて大きく秀でている科目はありませんでしたが、中学高校一貫して数学は得意でした。国語や世界史などの科目が足明らかに足を引っ張っていたのです。あと音楽も笑。中学時代は大学進学を考えていませんでしたので工業高校に進学しますが、そこで「電気基礎科目」に出会います。数学はそれなりにできたので、電気数学にも特に苦戦せず、高成績を残せていたと思います。

 高校生活最後の平均内申が4.5程度。大学進学も考えましたが、大学に通うのであれば全て自分のお金で、という家庭方針でもありましたので、「得意なことを磨く」のなら大学進学だけが選択肢ではないと考えます。

「得意」が先か「好き」が先かを明確にすることは難しいですが、得意を磨けば好きになり、好きなことならより頑張ることができて得意になる。得意なことで少しずつ成功体験を積み重ねていけば、より好きになっていく。この好循環は生まれていくと思います。

「なぜそんなに電気が好きなのか」とよく問われますが、高校時代からの成功体験や役に立った経験の積み重ねがあって今現在の「好き」に集約されているのかもしれません。好循環を如何に生み出せるかが、継続を考える上でも重要だと思います。

 好循環のサイクル

強い目的志向

 先ほどの「目的・戦略・戦術」にも通じますが、全ての行動には目的があるはずです。つまり、目的を明確に意識できればできるほど、現在行動している理由が明確になります。

 私が長期的にモチベーションを保つために行なっていることがあります。それは「将来像を可視化して言語化しておくこと」です。

  • 将来的にどんな自分になっていたいのか
  • そのためにはどんなスキルや経験が必要なのか
  • 今やるべきことはなんなのか

などを紙に書いて貼り付けます。書き出していることが鮮明であるほど、つまり、将来なりたい姿(=目的)が明確であるほど、取り組みにも力が入ると思います。全ての行動に理由がついてまわれば、長期的に継続できる確率もどんどん上がっていくことでしょう。目的が達成できたものは、随時更新して新たな目的を設定します。

習慣化できれば勝ち

 歯磨きを毎日行うのと同じように、学習も毎日行う。これが「習慣化」です。口で言うのは簡単ですが、実際にできる人は少ないです。習慣は簡単に変えられないからこそ習慣なのであり、だからこそ、学習が習慣化できれば”勝ち”に近づくのだと思います。

 この習慣化は「慣性力」で例えると分かりやすいと思います。大きな重たい回転体があったとします。止まっている状態から回転させようと思えば、物凄く多大な労力が必要なことは想像に容易いでしょう。しかし、ある程度回転させれば楽に回せるようになり、今度は逆に止めることが難しくなります。つまり、「変化の時」に大きな労力が必要になると考えることが出来ます。

習慣化する際も考え方は一緒です。初めは辛く、なかなか行動は定着しません。やめたくもなります。しかし、これを乗り越えれば少しは楽になるんだと思えれば継続しやすくなるでしょう。「回し始め」の心の支えになるのが、先に述べた「強い目的志向」でもあるのです。

実務と座学

相乗効果を意識する

 私は、実務と座学は相互に依存する関係にあり、相乗効果を生むと考えています。座学によって知識が増えることで、実務のパフォーマンスが向上し、逆に実務の経験が増えることで座学の理解が深まります。実務と座学は両輪です。

 どちらが重要かという議論よりも、両者の価値を正しく認識し、バランスよく取り組むことが重要と思います。多くの人が人生の大半を仕事に費やすことになりますが、仕事の時間を学習によって充実させることができれば、学習の成功体験となり継続しやすくなると思います。

頑張る皆さんに

 拙い文章ではありますが可能な限り記してみました。再度になりますが、ここに記したことは私に適合する方法であり、読んでくださった全ての人に当てはまるとは微塵も思っていません。学習することの本質は「自分が成長・進歩する方法を知ること」だと思います。得意な学習法も違えば、持っている能力も十人十色です。参考にして頂けるのは有り難いですが、自分に合わないと思えばやめていただいて全然構いません。自分に合わない方法を見つけることも学習の一部だと思うのです。

 是非、試行錯誤しながら自分なりのノウハウを見つけて頂ければと思います。

悲観的な事を言う人が多い中、未来を良くしようと頑張る人は素敵だと思いますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です